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   第125回『まちむら興し塾』   2015年11月30日
   
  
テーマ 
【東京ディズ二ーリゾートの昔ばなし】   
   コメンテーター JTB総合研究所 客員研究員 松井一郎 さん 
     当日の勉強会・懇親会の写真
   コメンテーターの松井さんが、JTBの第一線に在籍していた頃、
 東京ディズニーリゾートの開設のための専門スタッフとして東京ディ
 ズニーリゾートに出向。

  その当時の苦労話しやエピソードなどと一緒に、創業の経緯なども
 紹介するなど楽しい講演でした。
 
   創業までの歴史》
  ◇ 県と海岸埋立のための交渉

    ⇒ 条件
      ① 漁協の合意を取り付ける
      ②1000万人集客できる施設

  1962年 千葉県と基本合意 
        用地買収と浦安海岸の埋立工事が始まる

      ● 合意の中の密約:
        会社存続の危機などの場合、用地転配をしてもよい

        ※ オープン当日の新聞記事に掲載されしまった。

 
   開設に当たり、モデル施設の検討 》 
 ⇒ 当初、デンマークのチボリ公園とディズニーランドが候補

   ディズニーランドの日本への誘致を、初代社長川崎千春氏が表明

    その当時はテーマパークという言葉すらもなかったが、従来の
   遊園地にはない新しいコンセプトで、「すばらしい世界を日本こど
   ももたちにも見せたい」と思い

   ⇒ ディズニーランドに決定 
    → アメリカのディズニー本社と交渉開始
    → 74年基本合意

   東京ディズニーランドしてオープンまでに、浦安沖の埋立から許
  可から始まりディズニーランドの誘致に至るまで、20数年を費や
  した。

   
 <オリエンタルランド社の歴史>
 1960年 オリエンタルランド社設立

 1964年 浦安沖の海岸埋立工事を千葉県から受託     

 1970年 埋立地のうちレジャー施設用地、住宅用地を取得

 1974年 ウォルトディズニー社と基本合意成立      

 1975年 舞浜地区の埋立て完了

 1979年 ウォルトディズニー社との契約成立(誘致決定)

 1980年 東京ディズニーランド(TDL)着工

 1983年 TDLオープン、初年度入場者数993万人

 1988年 JR京葉線開通、年間入場者数1,500万人へ
       市の人口、面積が4倍に

 2001年 東京ディズニーシー(TDS)がオープン

       東京ディズニーリソート(TOR)へ
       ⇒年間入場者数2
,500万人へ

 2014年 TDL30周年
       年間入場者数  3
,130万人(TDL+TDS)

 
 《  興味深い創業50年間の軌跡の紹介 》  
  ◇ ディズニーランドでの歩みの紹介 Officialサイトは下記
   1.1960~1974 林式会社オリエンタルランド創成期
     http://www.olc.co.jp/50th/01.html

   2.1972~1980 ディズニーランド誘致の実現
     http://www.olc.co.jp/50th/02.html

   3.1980~1983 東京ディズニーランド開業
     http://www.olc.co.jp/50th/03.html

   4.1983~2000 東京ディズニーランドの成長
     http://www.olc.co.jp/50th/04.html

   5.1988~2001 東京ディズニーシープロジェクト
      http://www.olc.co.jp/50th/05.html

   6.1994~2001  東京ディズニーリゾートへの進化
      http://www.olc.co.jp/50th/06.html

   7.2001~2010   東京ディズニーリゾートの現在
      http://www.olc.co.jp/50th/07.html

  ◇ 資金調達
     日本興業銀行と数行で協調融資
  ◇ オリエンタルランドの運営会社
     京成電鉄が主体となり、株主・銀行から役員を迎え、当初の
    スタッフは数人からスタート。

   ・京成電鉄は谷津遊園などから部長・課長クラスに登用。
     プロパー社員は、当初、埋立管理、企画などを担当

   ・しばらくして40代の将来の幹部候補の中途採用を始める 

   ・1980年 新卒採用 

   ・1982年 社員500人となり、
          開発関係中心にテーマパークスタッフを配置

         + 企画・運営・マーケティングの専門スタッフ
           の出向者
           (JTB、JR、JAL、運営に東映などから)
           を迎え、体制を作り上げた


   いよいよオープンに向けて本格的に始動。

 
 <浦安市とTDR>
   地下鉄東西線が開通するまでは「陸の孤島」とも言われ、
   「青べか物語」の舞台になった漁村からの変身はどのようにな
   されたか。

  「青べか物語」:1928年におよそ1年間滞在した浦安での体験
          を活写した山本周五郎の作品。発表は1960年。

   ※「べか」とは海苔や貝類を採るための平底舟で、青く塗られて
    いたことから「青べか」と呼んだ。

  ◇ 浦安市の歴史
    1960年以前   人口1万数千人の漁村
              (青海苔と貝類が特産物)

    1962~64年  漁業権放棄⇒海岸埋め立て工事を容認

    1969年     営団地下鉄東西線開通
              (68年の人口約2万人)

    1971年     新住宅地(美浜/入船地区)埋立発了
              面積は4.43 ⇒ 8.へ倍増

    1981年     市制移行(人口65,662人)
              海岸埋立工事完了 面積16.98

    1983年     TDLプレビューに全市民招待(約8万人)

    1988年     JR京葉線開通、舞浜駅・新浦安駅開設

    1995年     浦安市の人口123千人

    2015年11月末 浦安市の人口は164千人

 
 《  オリエンタルランドの内容と組織 》
     サイトナビ http://www.olc.co.jp/company/history/

    組織図 http://www.olc.co.jp/company/profile/organization.html

 
 
 《マーケティング部門の業務》
  営業事務課   :部長の秘書業務、通訳、マーケティング部門¶
           の人事に関する提案、
アルバイトスタッフの
           確保、出通勤管理

  営業企画課   :部内調整、関連する他部門との調整、パーク内
           イベントの企画、
リサーチ、パークOPSカレン
           ダーの作成など

  会員課     :マジックキングダムクラブ(MKC)など会員組
           織への拡販

  営業課     :直接セールス、エージェントセールスの活動

  プロモーション課:スポンサー企業と連携したプロモーション活動 

  宣伝課     :すべての広告宣伝活動

  広報課     :メディアプロモーション活動

  団体予約課   :団体来場者の予約受付

 《オーブン前後のTDLマーケティング部門の基本方針》
  ■ 当時の環境

     「ディズニー」は名声があったが、「ディズニーランド」
      は認知が低い。
 

   ○ それまでのレジャー空間から見ると非常識な『決まりごと』
     があった。

     ① 弁当の持ち込み禁止
       対応策→ ゲート外ピクニックエリア → 再入場可能

     ② アルコール類はダメ(当時タバコはOK)

     ③ バックヤード見学 ダメ

     ④ 取材・紹介記事などに対する制限

       ・取材での写真撮影には被写体のアングルを指定
       ・パンフレットに、園内景色を含めて肖像権

       ・キャラクター使用ダメ → official画像提供

     ⑤ 旅行業界の慣習無視

       ・コミッション無し
       ・クーポンを受け取らない。現金のみ
        旅行業者からの反感をかい、仕方無く

        ⇒ コンピューター管理費として4%支払う

        → 手数料支払い対象業者限定
          JTB、KNT、日本旅行、東急観光、JR東日本、          後日、融資を受けた関係で農協観光 → 

     ⑥ 入場券購入を含めて支払い
       ・現金のみ、カードダメ → 現在ははカードOK

     ⑦ 予約制(現在は特定日のみ予約制)
       入場制限(35000人以下)

 ■ オープン時の基本方針
    (顧客は、TDLの名声を確保すること、来場者1,000万人
    を達成すること)

   ★ メディア各社、旅行業界には低姿勢で、きちんと説明する。

   ★ メディアプロモーション、エージェンドプロモーションでは、
     事務的に持ち上げる。

   ★ 一般消費者には、あらゆる機会を捉えて、理由を説明する。

 
  《パーク オペレーティング カレンダー》

○ 営業日各1日ごとの来場者を予測し、カレンダーを作成する。

○ 予測方法は、年間のレジャー活動量の波動、団体の予約数を
  ベースとした。

○ 各月のカレンダーを運営関係各部門に知らせる。

○ 運営関係部門はカレンダーの入場者予測に沿って要員を配置
  する。

○ 食堂部は食材の準備に活用する。 

○ 予測精度は年を追うごとに改善され、10年後に数十~数百
  人程度の誤差になった。

 
  《パーク内でのイベント企画》

○ イベントごとにレストランメニューも変える

○ イベントの場所はお客様の混雑度の分散を図れるように配慮
  して決める。

○ パーク内で実施する年間のイベントを、コンセプトレベルで
  提案する。

○ エンターテイメント部門、オペレーションの各部門に説明し、
  細部を詰める。

○ 実施計画と来場者数の見込み、集客活動の計画をまとめて
  POCに提案する。

   POC Proof Of Concept 概念実証

    POCとは、新しい概念や理論、原理などが実現可
    能であることを示すための簡易な試行。一般的には
    一通り全体を作り上げる試作(
プロトタイプ)の前
    段階で、要となる新しいアイデアなどの実現可能性
    のみを示すために行われる、不完全あるいは部分的
    なデモンストレーションなどを意味する。

 

O 主なイベント
  「ドナルドの誕生パーティ(6月)」
  「オールザッツミュージック(9月)」

    「ディズニーのXmas(12月)」
  「カウントダウン(年末)」など。

○ 短期間のイベントは繁忙期には実施しない。

○ 年間を通して大きなテーマでカバーすることもある。
  (ディズニーの劇場映画に合わせるケース)

 
 《スポンサー企業とのタイアップ事業》

○ 各アトラクションについているスポンサー企業との連携によ
  るプロモーション活動。

○ スポンサー企業にとってのプロモーション活動に便乗して
  TDRのプロモーションを
行う。

○ そごうシンガポール店の開業に合わせてディズニーのキャラ
  クターショーを実施し、
現地の有力なAGTを招待する。

○ パークの貸切利用による招待(消費者、代理店など)もある。
  特別な飾り付けや特別なショーを準備する。

 
 《会員ビジネス》
   いくつかの会員制度がある。一般の人が入会できるもの、企業や
  専門的職業の人を対
象としたもの、特別な人を対象とした限定的な
  ものがある。

O MKC(マジック キングダム クラブ)は一般の人が入会
  できる制度

  ・総てのチケットメディアが10%割引となる。
   入会金、年会費とも無料。

  ・MKCの会員は会員企業・団体の従業員・職員がメンバー
   になれる。

  ・会員事業所は代表者を決め、会員カードを発行する。

  ・TDRから提出してもらいたいポスター等が送られてきた
   場合、代表者は従業員向けの掲示板に掲出する。

○ エグゼクティブクラブ バウチャー券発行の権利
  企業会員が発行→使用分は後日支払い

○ クラブ33
  限定された人だけ。唯一アルコールOKの秘密クラブスタイル

  アメリカのTDLにある住所が33th街にあるので、その名前
  がついた。

第125回『まちむら興し塾』 勉強会スナップ
 
 参加者全員
 左から 樋口さん、4年根岸君、1年清水さん、1年金谷さん、高野さん
 飯田さん、松井さん、井上さん、長坂、後列、佐藤さん、久津さん
 
講演に聴き入る参加者 
 
  コメンテーター
松井さんさん
 
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創業10周年記念時計  創業20周年記念時計  
今やお宝 ディズニーランド記念品の数々 
   
創業30周年記念時計   創業記念パネル  
   
創業記念招待状   創業記念Passport券  
   
   
時には笑いも  真剣な面持ち 久津さん、飯田さん 
   
久しぶりに参加  井上さん 佐藤さん 
   
司会役 樋口さん  ディズニーでアパレルの展示会
を開催されたとか 久津さん 
   
4年 根岸君  現在デイズニーランドでバイト中
1年 高野さん 
   
アクアラング愛好会にも所属
金谷さん 
何にでも興味津々、張り切る
清水さん 
 二次会 
 
恒例により二次会 井上さん、松井さん、佐藤さん
 
長坂・根岸君  笑顔満面4年宮林さんと 
1年高野さん
   
飲むペースが速い金谷さん
次にやりたい事を語る1年清水さん 
宮林さん、高野さん、井上さん 
お問合
わせ
 NPO法人ふれあいまちむら興し塾  
 電話:047-330-4421 
 FAX:047-344-1993
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